○室戸市認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成28年11月28日

告示第132号

(趣旨)

第1条 この要綱は、認知症になっても本人の尊厳が守られ、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けていくために、認知症が疑われる者及び認知症の者並びにその家族に対して、早期に集中して支援を行う認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断、早期対応に向けた支援体制を構築する事業(以下「支援事業」という。)の実施に関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要綱における用語の意義は、地域支援事業実施要綱(平成18年6月9日老発第0609001号厚生労働省老健局長通知の別紙)において使用する用語の例による。

(事業の実施主体)

第3条 支援事業の実施主体は、室戸市とする。ただし、必要に応じて、支援事業の一部を認知症疾患医療センター、病院、診療所、社会福祉協議会、その他適切な事業の運営が確保できると市長が認める者に委託することができる。

(実施内容)

第4条 支援事業の実施内容は、次の各号に定める事業とする。

(1) 支援チームに関する普及啓発

(2) 認知症初期集中支援の実施

 支援対象者の把握

 情報収集及び観察・評価

 初回訪問時の支援

 専門医を含めたチーム員会議の開催

 初期集中支援の実施

 地域支援事業実施要綱別記53(ウ)b⑥に規定する引継ぎ後のモニタリング

 支援実施中の情報共有

 記録等の保管

(3) 認知症初期集中支援チーム検討委員会の設置

 支援チームの設置及び活動状況の検討

 医療・保健・福祉に関わる関係者等から構成される「認知症初期集中支援チーム検討委員会」の設置

(支援チームの構成)

第5条 支援チームは、専門職2名以上及び専門医1名以上による認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)で構成する。

2 専門職は、次の各号のいずれにも該当する者のうちから、市長が委嘱又は任命する。

(1) 保健師、看護師、准看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士等の医療・保健・福祉に関する国家資格を有する者

(2) 認知症ケア又は在宅ケアの実務・相談業務等に3年以上携わった経験がある者

(3) 国が認める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し、その試験に合格した者。ただし、国が定める研修を受講したチーム員が受講内容を支援チーム内で共有することを条件として、同研修を受講していないチーム員の事業参加も可能とする。

3 専門医は、次の各号のいずれかに該当する者のうちから、市長が委嘱する。

(1) 公益社団法人日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかに該当し、かつ認知症サポート医である医師

(2) 公益社団法人日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、今後5年間で認知症サポート医研修を受講する予定のある医師

(3) 認知症サポート医であって、認知症疾患の診断・治療に5年以上従事した経験を有する医師(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている場合に限る。)

4 チーム員の任期は、3年とする。ただし、チーム員が欠けた場合における補欠のチーム員の任期は、前任者の残任期間とする。

(支援チーム及びチーム員の役割)

第6条 支援チームは、支援事業の実施が必要と認められる認知症が疑われる者又は認知症の者(以下「認知症支援対象者」という。)及びその家族を訪問し、観察及び評価を行い、必要な支援を行うものとする。

2 専門職は、認知症支援対象者及びその家族を訪問し、必要な支援を行うものとする。

3 専門医は、認知症に関する専門的見識から他のチーム員への指導、助言等を行い、必要に応じてチーム員とともに認知症支援対象者及びその家族を訪問し、相談に応じるものとする。

(認知症支援対象者)

第7条 認知症支援対象者は、原則として、在宅で生活している40歳以上の者で、かつ認知症が疑われる者又は認知症の者で次の各号のいずれかに該当する者とする。

(1) 医療サービス若しくは介護サービスを受けていない者又はこれらのサービスを中断している者で次のいずれかに該当する者

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護保険サービスに結びついていない者

 認知症の診断はされているが、介護サービスを中断している者

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けているが、認知症の行動・心理状態が顕著なため、その家族が対応に苦慮している者

(認知症支援対象者の把握等)

第8条 支援チームは、地域包括支援センターから提供された認知症支援対象者に関する情報に基づき活動するものとする。

2 支援チームは、新たに認知症支援対象者とするべき者の情報を得た時は、地域包括支援センターと情報の共有をしなければならない。

(初回訪問時の支援)

第9条 支援チームは、初めての訪問(以下「初回訪問」という。)を行うときは、認知症支援対象者及びその家族に対し、次に掲げる支援を行うものとする。

(1) 認知症の包括的な観察及び評価

(2) 基本的な認知症に関する正しい情報の提供

(3) 専門医療機関への受診及び介護保険サービスの利用の効果に関する説明

(4) 認知症支援対象者及びその家族の心理的サポート、助言等

2 支援チームは、初回訪問には、認知症支援対象者の家族等あらかじめ協力を得られる者に対して同席を求め、当該認知症支援対象者より現病歴、既往症、生活情報、家庭の情報等を収集するものとする。

(支援の方針等の検討)

第10条 支援チームは、初回訪問の後、認知症支援対象者ごとに観察及び評価の内容を総合的に確認し、支援の方針、内容、支援頻度等を検討するため、専門医を含めたチーム員会議を行う。

2 支援チームは、必要に応じて、認知症支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、室戸市の関係部署の職員等に対し、チーム員会議への出席を求めることができる。

(初期集中支援の実施)

第11条 支援チームは、認知症支援対象者が医療サービス又は介護サービスによる安定的な支援を受けるまでの最長でおおむね6月間、次に掲げる支援を実施する。

(1) 医療機関への受診が必要な場合は、その動機付け

(2) 継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援

(3) 介護サービスの利用等の勧奨及び誘導

(4) 認知症の症状の程度に応じた助言

(5) 身体を整えるケア

(6) 生活環境等の改善

(7) その他認知症の初期に必要な支援

(初期集中支援終了後の活動)

第12条 支援チームは、支援チームによる前条の支援の終了について、チーム員会議で決定した場合は、第3条第2号に規定する当該終了後の支援について必要な引継ぎを、地域包括支援センター、担当介護支援専門員等に同行して認知症支援対象者を訪問する等の方法により行わなければならない。

2 支援チームは、前項の引継ぎの2月後に、当該認知症支援対象者に係る医療サービス及び介護サービスの利用状況等を評価し、支援の必要性を判断の上、随時モニタリングを行うものとする。

(検討委員会の設置)

第13条 市長は、支援チームの設置及び活動状況等について検討するため、認知症初期集中支援チーム検討委員会(以下「検討委員会」という。)を設置する。

2 検討委員会は、委員15人以内で組織する。

3 委員は、次の各号に掲げる者のうちから、市長が委嘱し又は任命する。

(1) 室戸市における保健・医療・福祉関係者

(2) 認知症施策又は地域包括ケアに関する学識経験を有する者

4 委員の任期は、3年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 委員は、再任されることができる。

6 委員が委嘱又は任命された時における当該職又は身分を失ったときは、辞任したものとみなす。

7 検討委員会に委員長及び副委員長を置き、それぞれ委員の互選によって定める。

8 委員長は、会務を総理し、検討委員会を代表する。

9 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるときは、その職務を代理する。

10 検討委員会の会議は、委員長が召集し、議長となる。

11 検討委員会における庶務は、室戸市保健介護課において処理する。

(守秘義務)

第14条 支援事業に従事する者は、正当な理由なく、その職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(書類の保管)

第15条 認知症支援対象者に関する情報、観察及び評価の結果、支援事業による支援の内容を記録した書類等支援事業に関する書類は、5年間保管するものとする。

(その他)

第16条 この要綱に定めるもののほか、支援事業の実施に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この要綱は、公布の日から施行する。

(チーム員等の任期の特例)

2 第4条第4項及び第12条第4項の規定にかかわらず、この要綱の施行後最初に委嘱され、又は任命されたチーム員及び検討委員会の委員の任期は、平成30年3月31日までとする。

室戸市認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成28年11月28日 告示第132号

(平成28年11月28日施行)