○室戸市新有畜農家育成肉用牛導入事業実施要綱

昭和53年7月1日

告示第18号

(趣旨及び目的)

第1条 この要綱は、中山間地域において、新しく肉用牛を導入し、これとの複合経営を目ざす有畜農家を育成して、農業経営の合理化と生活の安定を図り、もって山村の振興を推進する農家に肉用牛を無償貸付けする場合に必要な措置について定めるものとする。

第2条 市長は、前条の趣旨に基づいて集団的かつ能率的に山村振興を図ろうとする次条の農業者(以下「対象農家」という。)に対し、市が県から借り受け管理する肉用牛(以下「貸付肉用雌牛」という。)を貸付けし、5箇年間善良な飼育者の注意をもって飼育管理させるとともに、対象農家は、肉用牛との複合経営の外延的な拡大に努めるものとする。

2 前項の規定により、市は、対象農家が当該貸付肉用雌牛につき、第7条に規定する対象農家の義務に係る事項を遵守し、善良な飼養管理が行われ、かつ、貸付期間が満了した場合には、対象農家に対し当該雌牛を譲渡するものとする。

3 第1項に規定する肉用雌牛の貸付けについては、肉用雌牛の貸付等に関する契約書(別紙)により貸付契約を締結するものとする。

(対象農家)

第3条 事業の対象農家は、前条の資格を有し、室戸市内に居住し、現に肉用牛を飼育していない農業者であって新しく導入しようとする貸付肉用雌牛を繁殖の用に供するとともに、子牛生産による所得の向上とふん尿の土地還元を促進することによって、これとの複合経営を確立しようとする意欲が旺盛と市長が認める者であることとする。

(貸付肉用雌牛の頭数及び品種等)

第4条 本事業により貸付けを行う肉用雌牛の頭数は、おおむね10頭以上、対象農家1戸当たり2頭以内とし、貸付肉用雌牛の品種は、土佐褐毛和種及び黒毛和種であって、月齢は各々おおむね6箇月齢とする。

(譲渡価格)

第5条 貸付肉用雌牛に係る譲渡価格については、次のとおりとする。貸付肉用雌牛の貸付期間が満了した場合は、当該肉用雌牛の購入価格に相当する対価をもって対象農家に譲渡するものとし、対象農家は遅滞なくその対価を市に納付しなければならない。ただし、譲渡時の価格が当該肉用雌牛を購入したときに比し、著しく変動した場合には、市長は価格の変動を勘案して、この譲渡の対価を市の購入したときの価格に相当する金額より増額し、又は減額して定めることができる。

(申請)

第6条 この要綱により肉用雌牛の貸付けを受けようとする対象農家は、別記様式第1号による計画書を市長に提出するものとする。

(対象農家の義務等)

第7条 対象農家は、貸付肉用雌牛の引渡しを受けて5年間善良な管理者の注意をもって飼養管理しなければならない。

2 対象農家は、前項の規定により引渡しを受けた貸付肉用雌牛の飼養管理について、次に掲げる事項を遵守するものとする。

(1) 貸付肉用雌牛を家畜共済に付する等債務履行に万全を期するとともに、事故があったときは、遅滞なく市長に報告し、指示を受けること。

(2) 前項により飼養管理する期間(以下「飼養期間」という。)における貸付肉用雌牛の飼養管理費等必要な経費は、すべて対象農家の負担とし、その果実は対象農家に帰属するものであること。

(3) 市長が、貸付肉用雌牛の飼養管理等について行う必要な指示及び指導があったときは、これに従うとともに異品種との交配はしないこと。

3 対象農家は、市長が貸付肉用雌牛の飼養管理等につき必要な指導をすることを指示したときは、これに従わなければならない。

4 対象農家は、第11条の規定により肉用雌牛の引渡しを受けた年度から起算して第6年目におけるこの事業の実績報告書(別記様式第1号)及び貸付肉用雌牛の飼養管理状況報告書(別記様式第2号)を市長の指定する期日までに市長に提出しなければならない。

(報告)

第8条 対象農家は、飼養期間中に貸付肉用雌牛につき、盗難、失そう、疾病、死亡その他重大な事故があったときは遅滞なく、その状況を貸付肉用雌牛事故報告書(別記様式第3号)により市長に報告しなければならない。

2 前項の報告があった場合、市長は速やかにその処置を決定するものとする。

(損害の賠償等)

第9条 飼養期間中に貸付肉用雌牛につき盗難、失そう、疾病、死亡その他重大な事故があった場合において、当該事故が対象農家の責めに帰すべき事由によると認められるときは、対象農家は市に対し、その損害を次に定める基準により賠償しなければならない。

(1) 事故が、対象農家の故意又は重大な過失により生じたと認められる場合

P1+P2に相当する額

1 P1は、当該事故に係る貸付肉用雌牛の購入価格に相当する金額から当該肉用雌牛の残存価格に相当する金額(その額が購入価格に相当する額を上回るときは、購入価格に相当する額)を差し引いて得た額

2 P2は、当該事故に係る貸付肉用雌牛の引渡しの日から当該事故につき報告のあった日までの日数に応じ当該肉用雌牛の購入価格につき年利10.95パーセントで計算して得た額

(2) 前号以外の過失による場合

P1に相当する額

(超過額の交付)

第10条 市長は、飼養期間中に貸付肉用雌牛を事故等により廃用処分する場合において、当該牛を県が購入し、市が借り受けしたときの価格に相当する額を上回る収入を生じたときは、対象農家の故意又は重大な過失を除き、その超過額を対象農家に対し交付することができる。

(家畜の引渡し)

第11条 対象農家に対する貸付肉用雌牛の引渡しは、市長の指定する期日及び場所において行うものとし、この引渡し後の輸送費等は対象農家の負担とする。

2 家畜の引渡しを受けた対象農家は、家畜(肉用雌牛)受領証(別記様式第4号)を市長に提出するものとする。

(契約の解除)

第12条 市長は、貸付期間中に次の各号に該当する欠格事態が生じたときは、契約を解除し、貸付肉用雌牛の返納を命ずることができる。

(1) 第7条第1項から第4項までの規定に違反した場合であって、その規定を遵守させることが困難であると認めたとき。

(2) 対象農家が第3条の資格を消失し、又は市長の指示に従う意思がなく、「貸付肉用雌牛」の貸付けの継続の意義を認めなくなった場合

2 前項の規定による貸付肉用雌牛の返納は、市長の指定する期日及び場所において行うものとし、この場合における貸付肉用雌牛の返納に要する経費は、対象農家の負担とする。

3 市長は、前項の規定により、貸付肉用雌牛の返納を受けたときは、当該牛を第2条及び第3条に規定するところに基づき、残存飼養期間の範囲内で他に再貸付けすることができるものとする。

(対価等の納入)

第13条 第5条の譲渡対価及び第9条の賠償金の納入は、市長の発行する納入通知書により納付するものとする。

(台帳の備付)

第14条 対象農家は、貸付肉用雌牛管理台帳(別記様式第2号)を備え付け、貸付肉用雌牛に関する記録を整備するものとする。

(書類の提出)

第15条 この要綱により市長に提出する書類は、2部とする。

(その他)

第16条 市長は、この要綱に定めるもののほか、必要な事項が生じたときは別に定める。

附 則

この要綱は、告示の日から施行する。

附 則(昭和54年告示第18号)

この要綱は、告示の日から施行し、昭和54年5月1日から適用する。

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室戸市新有畜農家育成肉用牛導入事業実施要綱

昭和53年7月1日 告示第18号

(昭和54年5月29日施行)