○室戸市人権尊重の社会づくり条例

平成10年7月2日

条例第18号

すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。世界人権宣言にうたわれているこの理念は、人類普遍の原理であり、日本国憲法においても、法の下の平等及び基本的人権の保障について定められている。

この理念の下に、市民のお互いの人権が尊重され、誇りをもって生きることができる社会をつくることは市民の願いである。

しかし、現実社会においては、同和問題をはじめ、女性、こども、高齢者、障害者、HIV感染者等、外国人などに対する人権侵害の問題が依然として存在している。

同和問題については、室戸市においても行政の責務として長年取り組んできたが、いまだ完全には解決されていない実態がある。

市は、これらの問題の解決に先導的役割を果たすべきであり、また、私たちは力を合わせてあらゆる人権問題の早急な解決を図っていかなければならない。

ここに、私たちすべての市民は、豊かな自然と歴史と文化を育んできたふるさと室戸において、共に力を合わせ、人権という普遍的な文化の創造を目指し、人権が尊重される社会づくりを進めていくことを決意してこの条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、人権尊重の社会づくりについて、市及び市民(市内に在住する個人並びに市内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体をいう。以下同じ。)の果たすべき責務を明らかにするとともに、その施策の基本となる事項を定めることにより、同和問題をはじめとするあらゆる人権に関する問題への取組みを推進し、人権が何よりも尊重される社会づくりの実現に寄与することを目的とする。

(市の責務等)

第2条 市は、前条の目的を達成するため、人権尊重に関する市民相互の理解を深め、行政のあらゆる分野において教育及び啓発に係る施策を実施するとともに、市民の人権意識の高揚に努めるものとする。

2 市は、人権尊重の社会づくりを推進するに当たっては、国、県及び関係団体と連携協力するものとする。

3 市長は、人権意識の高揚を図るため、市内における人権に関する実態について公表するものとする。

4 市長は、人権侵害に当たる行為をしたものに対して、必要な調査、指導及び助言をすることができる。

(市民の責務)

第3条 市民は、互いに人権を尊重し、自らが人権尊重の社会づくりの担い手であることを認識し、人権尊重の意識の向上に努めるとともに、市が実施する施策に協力するものとする。

(人権施策の基本方針)

第4条 市長は、人権尊重の社会づくりの総合的な施策を推進するため、人権施策の基本方針を定めるものとする。

(室戸市人権尊重の社会づくり協議会)

第5条 人権施策の推進に関し、必要に応じて重要事項を調査協議させるため、室戸市人権尊重の社会づくり協議会(以下「協議会」という。)を置く。

2 市長は、前条の人権施策の基本方針を定めるに当たっては、あらかじめ協議会の意見を聴くものとする。

3 協議会は、人権尊重の社会づくりに関し、市長に意見を述べることができる。

(委任)

第6条 この条例に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関する事項その他この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成10年9月1日から施行する。

室戸市人権尊重の社会づくり条例

平成10年7月2日 条例第18号

(平成10年7月2日施行)

体系情報
第8編 生/第1章 社会福祉/第6節
沿革情報
平成10年7月2日 条例第18号